これまでに何百人もの英語学習者を見て、指導してきた経験から、英語の得意な人ほど「感覚」で理解しているなぁと実感しています。
英語の感覚というと、究極はネイティブの人です。私たちが日本語を文法とかあまり意識せずに感覚でしゃべったり、簡単な国語問題を直感的に解いているのと同じように、英語を母国語とする人は感覚で理解しています。
ネイティブでない人がその域に到達するのは難しいとしても、英語が得意な人は、ある程度の段階になると「感覚」が身についてきます。指導していてわかったのですが、この英語の感覚は、人によって「付き具合」がかなり異なり、身につくスピードがかなり違うようです。
そして、「感覚」が身に付いた人ほど、英語を聞き取るのも、しゃべるのも、問題を解くのも、あまり苦労せずに自由にしゃべれて、問題も直感で解いていて、英語が得意な状態になっています。
では、英語の「感覚」を早く、確実に身につける人は、そうでない人と比べて何が違うのでしょうか?英語の勉強量でしょうか?
もちろん、母国語でない限り、感覚が身につくにはある程度の訓練が必要で、勉強量は重要なファクターです。あぁ、やっぱり(笑)そんな声が聞こえてきそうですが、ある意味勉強量はあたりまえのことです。
しかし、どうもそれだけじゃないこともわかってきました。この人、どうみてもそれほど勉強してないのに、めちゃめちゃ上達してるし、英語の感覚がばっちり身についてるやん!(なぜかわたしも関西弁になってしまう(笑))という人が何十人かに一人くらいの割合でいるのです。そしてその人たちをよく観察したり、いろいろと聞いてみると、ある共通点がわかってきました。
それは、フレーズの「暗唱」です。ある程度の長さの文章を「かたまり」で丸暗記しているのです。わたし自身も中学時代からプログレスの暗唱をしていたことは前に紹介しましたが、彼らの多くもまた、何らかの形でまとまった形のフレーズを「暗唱」していたのです。
単語を暗記するだけだと、英語の文章を読んだり、聞いたりしたときに耳に入ってくるのは、ばらばらの単語のままです。それを頭の中で日本語に直して、日本語の文章にするのは効率が悪いです。
単語ではなく、ある程度の長さのフレーズで暗記していると、頭の中でいちいち日本語に直すことなく、言葉の意味がイメージとして入ってきます。
英語の文法問題なども、暗唱によって文章のいくつかのパターンが頭の中にできあがり、正解を感覚的に選べるようになります。